Paul Daivs – I Go Crazy
外は雨が降っていて、何をするのもかったるいという由利。
FEN は
イッツ・イレヴン・トゥエニイセヴン。アンドゥ・ヒア・カムズ・ポール・デイヴィス。
もう午前11時半近く。
一九七八年のポール・デイヴィスのヒット曲、「アイ・ゴー・クレイジー」が、かかり始める。
昔の恋人への思いをしっとりと歌う歌ですね。
Paul Davis, “I Go Crazy”
この歌を聴いて、由利は
〈アイ・ゴー・メランコリー、アイ・ゴー・グルーミーだわ〉と思いながら、ベッドの下に落ちているセーラムの箱を拾い上げてみる。枕元にあったディスコのマッチで、火をつける。
この歌を聴いたときに感じるメランコリックな感じがよく出ています。
この曲、映画化された「なんとなく、クリスタル」の中でも使われてました。
実は、この小説が書かれたときにはもちろんん分かるはずもなかったのですが、1948年生まれのポール・デイヴィス、60歳の誕生日の次の日の2008年4月22日に心臓麻痺で亡くなっています。それを考えると、”アイ・ゴー・メランコリー、アイ・ゴー・グルーミー” という気持にまた別の感じが加わり、ちょっと感慨深いです。
久々の新曲のレコーディングを済ませた後だったとのこと。