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ケニー・ランキン

Kenny Rankin

前記事にあったように、真夜中だったら聴くのもいいけれど、マイケル・フランクスと並んで、

雨の日になんて聴くと、余計にメランコリーになってきてしまいそうだ。

と評された、ケニー・ランキン。

注に

ボサノバのフレーバーが強いアーチスト。アルバム・デビューは1968年だが、評価されるようになったのは、70年代になってから。

とあるように、1940年生まれで当時すでにベテランの歌手。

70年代の再評価を象徴するアルバムが、1976年の Kenny Rankin Album。


限定国内盤 ケニー・ランキン・アルバム~愛の序奏(紙ジャケット仕様)

このアルバムの中では、すでにこの小説の中で2番目に出てきたStephen Bishopの”On and On” が歌われていて、聴き比べも面白いです。

Kenny Rankin – On and On

ハイトーンを力まず、軽々と歌う感じは、やはりこのアルバムの中の
Kenny Rankin – Groovin
で遺憾なく発揮されています。

こんな若々しい声の持ち主なのに、肺癌で昨年(2009年6月7日)病没とは、とても残念。

マイケル・フランクス

Michael Franks

由利は、結局午後のフランス語の授業に出ないことに決める。

決めてしまうと、かったるさなんてどこかへ飛んでいってしまいそうな気がしてくる。といっても、雨の日に一人でベッドにもぐり込んでいるのだから、グルーミーな気分まで、どこかへ行ってしまった訳じゃない。

この辺、けだるさを楽しむ気持と、陰鬱さを少し柔らげようとする気持が微妙に綱引きをしているのがよく描写されています。

真夜中だったら、

マイケル・フランクスやケニー・ランキンあたりのレコードを聴くのもいい。

でも、こうしたレコードは雨の日になんて聴くと、余計にメランコリーになってきてしまいそうだ。

マイケル・フランクス Michael Franks には注がついてます。

カリフォルニア州出身。モントリオール大学で学び、「現代歌曲の創作とその社会の関係」という論文で、音楽作曲の博士号を持つ。トミー・リー・ピューマに発掘された彼は、ジャージーな感覚を持つシティ・ポップ歌手。

曲は何でしょうね。

小説の書かれた1980年より前のあたりのアルバムといえば


1977 Sleeping Gypsy

1978 Burchfield Nines

1979 Tiger in the Rain

など。

個人的にはやはり Sleeping Gipsy

の中の、日本ですごくヒットした

「アントニオの歌 Antonio’s Song (Rainbow)」

「レディ・ウォンツ・トゥ・ノウ Lady Wants to Know 」

あたりかなと思います。

マイゲル・フランクスはずっとコンスタントに活躍していて、2006年の Rendezvous in Rio まではほとんど毎年のようにアルバムを出していますし、今年(2010年)の1月には来日公演もしています (ビルボードライブ東京、大阪)。

ポール・デイヴィス 「アイ・ゴー・クレイジー」

Paul Daivs – I Go Crazy

外は雨が降っていて、何をするのもかったるいという由利。

FEN は

イッツ・イレヴン・トゥエニイセヴン。アンドゥ・ヒア・カムズ・ポール・デイヴィス。

もう午前11時半近く。

一九七八年のポール・デイヴィスのヒット曲、「アイ・ゴー・クレイジー」が、かかり始める。

昔の恋人への思いをしっとりと歌う歌ですね。


Paul Davis, “I Go Crazy”

この歌を聴いて、由利は

〈アイ・ゴー・メランコリー、アイ・ゴー・グルーミーだわ〉と思いながら、ベッドの下に落ちているセーラムの箱を拾い上げてみる。枕元にあったディスコのマッチで、火をつける。

この歌を聴いたときに感じるメランコリックな感じがよく出ています。

この曲、映画化された「なんとなく、クリスタル」の中でも使われてました。

実は、この小説が書かれたときにはもちろんん分かるはずもなかったのですが、1948年生まれのポール・デイヴィス、60歳の誕生日の次の日の2008年4月22日に心臓麻痺で亡くなっています。それを考えると、”アイ・ゴー・メランコリー、アイ・ゴー・グルーミー” という気持にまた別の感じが加わり、ちょっと感慨深いです。

久々の新曲のレコーディングを済ませた後だったとのこと。