‘音楽’ Category


ロバート・パーマー 「エヴリ・カインダ・ピープル」

Robert Palmer – Every Kinda People

前記事に引き続き、FENからロバート・パーマーの「エヴリ・カインダ・ピープル」です。

ロバート・パーマーには

レディ・キラーとして勇名な白人シンガー。ソウルフルな歌い方をするのは、レーベルがアイランドだから?

という注がついています。

これまで挙げられた中で、はじめてのUS以外、UKのミュージシャンですね。

ロバート・パーマー Robert Palmer は活動が多彩で、1985年にデュラン・デュランのジョン・テイラーとアンディ・テイラー、シックのトニー・トンプソンらとパワー・ステーションを結成して全米一位の大ヒットを出し、その後も精力的な活動を続けていながら2003年に54歳でパリで亡くなるわけですが、それは、この小説が書かれたころには誰も想像できないこと。

1978年の「エヴリ・カインダ・ピープル Every Kinda People」は同年発売のアルバム「ダブル・ファン Double Fun」からのシングルカットで、パーマーの歌がはじめてUSでトップ20以内に入ったいわばUSデビューの曲ということで、FENで紹介されていたのでしょう。


Robert Palmer “Every Kinda People”

注にあるようなソウルフルの歌唱に加え、気持のいいベースライン、軽くレゲエ風味のリズム、当時としては新しかったスチールドラム風の音色のミックスは今聴いても新鮮。

「人生を意味あるものにするには、あらゆる種類の人々が必要。世界が回っていくためには、あらゆる種類の人が必要…」こんなメッセージのある歌のわりには、この手の歌詞の歌によくあるような大仰なバラードの説教くささがなくいのがいい感じです。

ボブ・シーガー 「アゲンスト・ザ・ウインド」

Bob Seger & The Silver Bullet Band “Against the Wind”

前記事で引用されたように、ポール・デイヴィスの「アイ・ゴー・クレイジー」の次にFENでかかるのが、ボブ・シーガーの「アゲンスト・ザ・ウインド」。

ボブ・シーガーには注がついていて

デトロイトのロック・シンガー。武骨な歌い方が渋いのです。

この「アゲンスト・ザ・ウインド Against the Wind」正確にはボブ・シーガーが自分でメンバーを集めて結成したザ・シルバー・バレット・バンドとの両方での Bob Seger & The Silver Bullet Band のクジットになっていますが、ボブ・シーガー最大のヒットで、アルバム 「Agains the Wind」は1980年にビルボードのアルバムチャートで1位になってますし、シングルカットされた同名タイトル曲も5位を記録しています。


Bob Seger & The Silver Bullet Band “Against the Wind”

「風向って。ぼくは今でもは風向って走る。」というリフがなかなか生産的なカントリー風味のAORといった明るい歌でした。朝の目覚めにはぴったりかも。

今調べたら、シングル盤の発売日が1980年4月ということで、1980年6月あたりにはFENで新曲としてかかっていたことになります。

映画「フォレスト・ガンプ Forest Gump」にも効果的に使われてました。

FENは引き続き

由利が適当な電話相手がみつからずにうだうだしている間に

ポール・デイヴィスの後には、ボブ・シーガーの「アゲンスト・ザ・ウインド」、ロバート・パーマーの「エヴリ・カインダ・ピープル」、アシュフォード&シンプソンの「イズ・イット・スティル・グッド・トゥー・ヤ」、クール&ザ・ギャングの「トゥー・ハット」がかかり、そして今は、エアプレイの「シー・ウェイツ・フォー・ミー」が流れた。

つけっぱなしのFENから、どんどん曲が流れいき、一挙に5曲の紹介です。

この記事で一挙に無理なので、次の記事から1つ1つ再訪問していくことにします。


ところで FENってしばらく聴いたことがないなあ、今どうなっているんだろうと思ったら、今 AFN (American Forces Network) って名前に変わってるんですね。

AFN Tokyo http://www.afntokyo.com/

AFNの周波数や番組表もこのサイトから見ることができます。
http://www.afntokyo.com/afntokyo/Radio_Services.html

ネットラジオで聴けるかどうか、いろいろ検索してみましたが、答はノーです。
Facebook にある AFNヨーロッパのアカウント、afneurope に質問した人がいて、お答がありました。

AFNは、在外米軍基地関係のリスナーのためということで、著作権者から政府に無償でコンテンツが提供されているそうです。これをネット配信にすると、通常の著作権料を払わなければいけなくなり、コスト高になる。そのコストではやっていけない、のだそうです。

あくまで米軍関係者のためのものであり、それ以外のリスナーはそのおこぼれにあずかっているわけですね。

それに、1980年当時は洋楽専門局のようなものがFENしかなかったわけですが、今はネットで直接アメリカのウェブラジオ配信局がいくらでも聴けるので、FEN=AFNにこだわる意義はあまりなくなっているようです。

とはいえ、タイムマシンで1980年ごろのFENの放送が聴けたら、たまには私も流しっぱなしにして聴いていたいです。